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「無能の人」シリーズ(『無能の人・日の戯れ』に収録)の「石を売る」のひとコマ。無能の人こと助川助三は、多摩川の河原で石屋を開いた。 左奥に染地の多摩川住宅が見え、その右側には調布の堰があるので、京王相模原線の鉄橋付近から下流を眺めた風景と思われる。 |
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現在、鉄橋近くには石がゴロゴロしてるような所はなく緑地が広がっている。 京王相模原線の鉄橋上から下流方面を撮影。 【2006年3,4月撮影】 |
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鉄橋付近の河原。 石はころがっていない。 この緑地では近所の人たちがよくサッカーやキャッチボールをしている。 |
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漫画の中では、河原に降りる階段周辺にずいぶんと石がころがっている。 ちなみに奥の円柱形の建物は京王閣競輪場。左手には予想屋のおじさんが描かれている。 |
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河原に降りてみるが、石はころがっていない。実際と漫画は違っていたのだろうか… この階段はかつては上のコマのような素朴な階段だったが、2000年頃であろうか、新しく造り変えられた。京王閣競輪場は手前の建物の陰になり見えないが今もある。 |
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下流に向かって河原を歩く。つげ氏の漫画に出てきそうな寂しげな道。 | |
しばらく歩いたが、まだ河原には石はない。 | |
日活撮影所付近の河原。鉄橋からは1500mほど下流のところ。 川岸から離れた中洲にようやく石が見えてきた。対岸の川崎側にはけっこうゴロゴロしている。 高野氏の『つげ義春1968』によると、日活撮影所付近の河原で石を拾っている老人をつげ氏が見て『石を売る』のヒントをつかんだと書いてあった。昔はこのへんはゴロゴロしていたのだろうか。 | |
1979年の空撮画像。鉄橋のすぐ近くには石ゴロの河原はなさそう。 右上の多摩川住宅はつげ氏が1978年から1993年まで15年間住んでいたところ。 ちなみ「無能の人」シリーズが発表されたのは1985〜1986年。 → 画像を拡大表示 ※写真:国土画像情報(カラー空中写真) 国土交通省 | |
1984年の空撮画像。確かに日活撮影所付近の河原にはかなり石がゴロゴロしてるように見える。老人を見たのはこのあたりか。 → 画像を拡大表示 ※写真:国土画像情報(カラー空中写真) 国土交通省 | |
鉄橋〜日活撮影所付近の地図。 右側の青丸はつげ氏が住んでいた多摩川住宅ハ−2号棟。 → 画像を拡大表示 | |
鉄橋から2500mほど下流の河原。ここまで来ると石は売るほどころがっている。 正面の土手の向こう側は多摩川住宅。映画『無能の人』(DVD『無能の人』)のオープニングで竹中直人氏が石を拾うシーンを撮った河原はここ。 | |
映画『無能の人』に、土手の階段に座ってタバコを吸っているつげ氏が出てくる。それと同型の階段。 位置は鉄橋から200m下流のあたり。しかし背景が映画とは違うので実物はこれでは無さそう。このタイプの石の階段は多摩川の土手のいたるところにある。 |